トニー滝谷

是非と思っていた「トニー滝谷」を新宿へ見に。見る前に原作をと思って本棚をみても「レキシントンの幽霊」はみつからず、おかしいなぁと思いながら途中の駅の本屋で購入。あ。読んでない。電車の中で読みふけ、あまりのブッツリと切れたエンドに「どうすんのかなぁ」と思いながら映画館へ。
キャストも非常に魅力的で、坂本隆一の音楽も静かで切なく、西島秀俊のボソボソとした語りも趣があり、淡く大きな空の下で繰り広げられる美しい映像は、村上春樹な風景をしっかり切り取ってるように思えた。ただ、ラストは原作とはまるで違うエンディングが。ホントにたった数シーンだけど、原作に追加されたそのシーン。宮沢りえの二役はここに繋がるのか、という思いと、それは違うんじゃないか、という思いと、いやいややっぱり二役はどうなんだ、という思い。斉藤久子(面接に来た後半の宮沢りえ)に割く時間が多く、そしてそのラスト。ただ、背格好が同じなだけの女であって欲しかった。それよりももっとトニー滝谷の孤独をなんとも思わない、ある意味楽しんでいるその姿をもう少し見たかった。

これは原作を必ず直前に読んでみるべき映画だと思う。読んでないとわかりづらいところも何箇所かあります。それからルノー5、ほしいなぁ。